アンコール・ワットは12世紀前半にスーリヤバルマン二世と言う王によって建てられたヒンドゥー教のヴィシュヌ神です。
アンコールワットはお寺の都という意味です。東西約1.5km、南北約1.3kmの環 濠に囲まれて、幅約190m、長さ600m程もある大規模な寺 院であります。一説にはヒンドゥー教の三大神ヴィシュヌ神に捧 げるために建造されたと言われますが、王自身の墳墓として造ら れたとの説もあります。それは西が「死」を意味する方角であり、こ の寺院も西向きに建てられているからであります。
アンコールワットの中央伽藍は須弥山を具現しており、周囲の尖塔はヒマラヤ連峰、そこへと続く真っ直ぐな参道は、現世と 天界を結ぶ虹を現します。そして外側の環濠は大海、その周囲には深 い密林が広がっています。長編抒情詩が彫りこまれた第一回廊、第 二回廊。そして急な階段を登ると「神の住む場所」と言われる第三 回廊へとたどり着きます。塔内で待ち受けている数多くの優美な女神テ バターです。それら全てとの出会いのセレモニーを経て辿り着く、中央に 堂々と聳え立つ塔の懐内は、王と神々とが一体化する聖域です。